食物アレルギーとは食物抗原、特にタンパク質に対するアレルギーが生じて、さまざまな皮膚症状、消化器症状を示す疾患です。 |
犬ではⅠ型アレルギー(30%ほど)、Ⅳ型アレルギー(80%ほど)が関与しています。 |
アレルギ-とは、細菌やウイルスなどの病原体から身体を守るための生理機能です。免疫機能が異常をきたし、通常は生体に害が少ない抗原に対して 過剰な免疫反応を起こす疾患です。 | |
アレルギーの発生には遺伝性、抗原に対する過剰な曝露、生活環境などが考えられています。 | |
Ⅰ型アレルギー | IgEという抗体と肥満細胞が中心的に働き、ハウスダストなどの抗原に反応し、ヒスタミン、セロトニンなどの生理活性物質を放出します。これにより、血管拡張や血管透過性亢進などが起こり、浮腫、掻痒などの症状があらわれます。この反応は抗原が体内に入るとすぐに生じるため、即時型過敏と呼ばれます。 |
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Ⅳ型アレルギー | 抗原と感作T細胞によって起こります。感作T細胞が生理活性物質を遊離し、周囲の組織傷害を起こします。反応に24~48時間ほどかかるため、遅延型過敏症と呼ばれます。 |
食物アレルギー | アトピー性皮膚炎 | |
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目、口、背中の痒み | あることがある | まれ |
1歳未満からの痒み | 多い | まれ |
1年中の症状 | 1年中 | 季節性。慢性化すると1年中 |
消化器症状 1日3回以上の糞便回数 |
あることが多い | なし |
ステロイドの反応性 | 65%が反応 | 85%が反応 |
除去食試験 | 痒み改善 | 痒み改善なし |
アレルギー検査 | 血液を採り、検査会社でIgE検査(Ⅰ型アレルギー)、リンパ球反応検査(Ⅳ型アレルギー)を両方行うことで、 食事アレルギー、アトピー性皮膚炎を診断し、どの物質がアレルギーを起こしている可能性が高いか判定します。 |
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除去食試験 | アレルギーとなるものを実質含まないごはんを食べさせることで、痒みの原因が食事性かを判定します。 |
メリット | デメリット | |
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アレルギー検査 |
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除去食検査 |
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食物アレルギーはご飯に含まれる、主にタンパク質にアレルギー反応を示すために、それらを含まないご飯を食べさせないことが治療となります。ご飯は以下のものがあります
アミノペプチド フォーミュラ |
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新奇タンパクフード |
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アトピー性皮膚炎を併発していなければ、除去食のみで良好にコントロールできます。かゆみが残るのであれば、アトピー性皮膚炎やノミアレルギーなどの併発を疑います。 |
除去食を開始しても、痒みは1~2カ月は残るので、お薬で痒みを軽減します。使用する薬としてはステロイド、抗ヒスタミン剤となりますが、ステロイドは効化がない場合もあります。 |